PADIダイブマスターは難しい?現役プロが難易度・不安・向き不向きを解説

ダイブマスターの難易度を解説するアイキャッチ画像

ダイブマスター(DM)は、PADIが定める最初の「プロレベル」資格です。
そのため、難しそう・体力が必要そう・自分にできるのか不安…
と感じる方が多いのも事実です。

しかしプロとして15年以上、数多くのDM候補生を見てきた経験から言うと、
ダイブマスターの難しさは「才能」でも「センス」でもありません。

難易度を大きく左右するのは
・正しいステップで積み上げているか
・基礎スキルが安定しているか
・どんな環境で学ぶか
という、とてもシンプルな要素です。

ユウマ

この記事では現役のPADIコースディレクターである私の視点から、
ダイブマスターのリアルな難易度、よくある挫折ポイント、成功する人の特徴、そして未経験からDMまでの最短ロードマップを詳しくお伝えします。

これからDMを目指す方、いつかプロを検討している方にとって、
不安が一つずつ解消される内容になれば幸いです。

ダイブマスターを目指す方は、先にコースの全体像をチェックしておくとイメージが掴みやすいです。

ダイブマスター講習の詳細ページはこちら

目次

ダイブマスターは難しい?結論からお伝えします

結論として、ダイブマスターは
「バランスが求められる資格」ではありますが、
正しい準備をすれば決して難しすぎる資格ではありません。

ダイブマスターは、レジャーダイビングの中では最上位のランクにあたるプロコースです。
そのため名前だけ聞くと、とても難しく感じる方が多いのですが、実際には次のようなイメージが近いです。

・今までの講習より「求められるレベル」は上がる
・ただし、段階を踏んで準備をすれば十分に届く難易度
・特別な才能よりも、基礎をコツコツ積み上げてきたかどうかが大事

言い換えると、いきなり挑戦すると大変ですが、OWDやAOWで学んだ内容をしっかり身につけていれば、現実的に目指せるレベルのコースです。

難しいかどうかを分けるポイントは

・自分の苦手分野をどれだけ把握しているか
・その苦手とどう向き合うか


この二つです。
このあと、具体的にどんな点が難しく感じやすいのか、どのように準備しておくと安心かを順番にお伝えしていきます。

なぜ難しいと言われるのか|3つの理由

ダイブマスターが難しいと感じられる理由は、大きく分けて三つあります。それぞれが独立した課題というより、複合的に重なって負荷が高くなることで「難易度が高い」という印象につながっています。

①求められる知識量が多い

ダイブマスターでは物理・生理・スキルと環境・RDP・器材など、潜水に関わる内容を体系的に学びます。単なる暗記ではなく、現場で判断するための理解が必要になるため、これまでの講習より学習量が多く感じやすい部分です

②水中スキルが客観的に評価される

OWDやAOWで身につけたスキルを「ゲストに見せられるレベル」で実施することが求められます。中性浮力、トリム、フィンワーク、ホバリングなど、一つ一つを丁寧に修正しながら安定させていく必要があります。自己流が染みついている方やブランクがある方は難しく感じやすいポイントです。

体力面のハードルがある

ダイブマスターでは体力テストや水面でのレスキュー評価など、一定の体力が求められます。水泳が得意でなくても合格自体は可能ですが、スタミナや持久力が必要になるため、人によって負荷の感じ方が大きく変わります。

これらの三つが組み合わさることで負担が大きくなり、結果として「難しそう」という印象につながっています。


次のセクションでは、どんな人が難しいと感じやすいかを現場経験をもとに整理していきますね。

難易度の誤解|向き不向きより準備次第で決まります

ダイブマスターの難易度については「向いている人」「向いていない人」というイメージを持たれがちですが、実際には素質よりも準備の量と質で大きく変わります。水中スキルも体力も知識も、事前にどれだけ整えておくかで負荷が大きく変わり、結果として難易度の感じ方もまったく違ったものになります。

向き不向きはほとんど関係ない

水泳が得意でなくても、ブランクがあっても、運動に自信がなくても、適切な準備をすれば問題なく合格できます。実際に講習を担当していると、最初は苦手意識があっても最終的には確実にスキルを仕上げていく方がほとんどです。

難しさの多くは「準備不足」から生まれる

本来つまずく必要のない部分で苦戦するのは、知識不足・基礎スキルの不安定さ・水に慣れていないことなど、事前に補える要素が原因であることが多いです。講習が始まってから慌てて対策するより、事前にコツコツ準備しておくほうが圧倒的に楽になります。

正しいステップを踏めば誰でも到達できる

OWD・AOWで習った基礎を見直し、中性浮力やフィンワークを安定させ、体力を付けておく。これらを順番にクリアするだけで、講習中の負荷は大幅に下がります。ダイブマスターは特別な才能が必要な資格ではなく、正しいステップを踏めば誰でも目指せるプロ資格です。

まずはお気軽にご相談ください

プロとしての一歩を踏み出したい方、将来インストラクターを視野に入れている方も歓迎いたします。
スキル面での不安など、何でもご相談ください。

どんな人が難しいと感じやすい?(傾向と特徴) 

ダイブマスターの難易度は人によって大きく違って感じられます。これは能力差というより、これまでのダイビング経験や習慣、取り組み方によって負荷が変わるためです。実際の講習現場で「つまずきやすい傾向」をまとめると、次の三つが代表的です。

自己流のダイビングに慣れすぎている人

長く潜っていても、自己流のフォームやクセが身についている場合は、プロレベルの基準に合わせるための修正が必要になります。スキル自体は十分でも、姿勢や手順の微調整に時間がかかり、難しく感じやすい傾向があります。

ブランクが長い人

久しぶりのダイビングの場合、水中での安定感や基礎動作が一度リセットされていることがあります。基礎の感覚を取り戻すところから始まるため、最初の段階で負荷が高く感じられるケースが多いです。ただし、慣れが戻ればその後の進行はスムーズです。

中性浮力が安定していない人

ダイブマスターでは常に落ち着いた姿勢と安定した浮力が求められます。呼吸が乱れやすい、姿勢が不安定、フィンキックにばらつきがあるなどの要素があると、練習量が必要になり難しく感じやすくなります。

これらの特徴に当てはまっても、講習中の練習で改善できる内容ばかりです。苦手なポイントを事前に把握しておくことで、講習中の負担を大きく減らすことができます。次のセクションでは、多くの方が苦手に感じる具体的な項目について解説していきますね。

よく苦手にされる3つの項目

ダイブマスター講習の中で、多くの候補生が共通してつまずきやすいポイントがあります。

ユウマ

これは実際にDMコースを担当していて、肌で感じる部分です。トップ3をご紹介しますので、ぜひ事前の対策の参考になればと思います。

いずれも練習次第で確実に改善できる内容ですが、事前に知っておくことで負担を大きく減らせます。

1位:体力テスト(400m水泳・15分間立ち泳ぎ)

泳法は自由であり、途中で泳ぎを変えても問題ありません。特別なスピードが求められるわけではありませんが、水に慣れていない方はきつく感じやすい部分です。事前に短い距離を定期的に泳いでおくと負担が大きく減ります。

2位:中性浮力(姿勢・呼吸の安定)

中性浮力苦手な候補生は多いです。姿勢や呼吸、ウエイト量、BCD操作など複数の要素を同時にコントロールする必要があります。自己流のクセがある場合は調整に時間がかかることがありますが、繰り返し練習することで確実に安定していきます。

3位:学科(ダイブセオリー)

ダイブマスターでは物理・減圧理論・生理・環境・器材など、ダイビングの仕組みを深く理解する必要があります。範囲が広いため、まとめて勉強しようとすると負担が大きく感じられることがあります。小分けで進める、苦手範囲を把握するなど学習方法が重要になります。

ただ近年、MOANAでもe-learning学習となっておりますので、ゆっくり時間をかければ問題なく理解ができるようにプログラムが組まれておりますので、安心してください。

次のセクションでは、これら三つの苦手ポイントをどのように克服し、講習をスムーズに進めるかについて具体的にまとめていきますね。

苦手ポイントを克服し、難易度を下げる方法|具体的な対策

先述の3つ、事前に対策を知っておくだけで負担は大きく下がり、講習もスムーズに進められるようになります。ここでは、多くの方がつまずきやすい部分と、その克服方法を具体的にまとめました

学科の克服方法

ダイブセオリーは範囲が広く、一度に理解しようとすると負荷が大きくなります。おすすめは内容を小さく区切って進める学習法です。e-learningを活用し、1セクションずつ復習しながら進めることで理解の定着が高まります。問題演習を多めに行い、間違えた箇所だけ重点的に復習するのが効率的です。

体力テストの克服方法

先述のとおり泳法は自由であり、途中で背泳ぎや平泳ぎに切り替えても問題ありません。特別なスピードは求められず、一定ペースで泳ぎ切る持久力がポイントになります。地味な回答になってしまいますが、おすすめはジムのプールで練習すること。私(コースディレクター松谷)もDM受講時、ジムのプールで練習しておりました。

中性浮力の克服方法

中性浮力は姿勢、呼吸、ウエイト、BCD操作の全てが関わるため、苦手意識のある方が多い項目です。まずは適正ウエイトを見直し、呼吸で浮力を調整する練習を繰り返すことが重要です。FUNダイビングに行った際には、ただ潜るのではなくガイドをしっかりと見ることも勉強になりますので、おすすめです。

まずはお気軽にご相談ください

プロとしての一歩を踏み出したい方、将来インストラクターを視野に入れている方も歓迎いたします。
スキル面での不安など、何でもご相談ください。

実際の講習はどれくらい大変?現場のリアル

PADIコースディレクターとして多くの候補生を見てきましたが、ダイブマスター講習の大変さは「体力よりも、継続力と安定した基礎力」に左右されます。毎日ハードなトレーニングが続くというより、地道に積み重ねる作業が中心です。

安定した集中力がポイント

負荷がかかりやすいのは、同じ内容の繰り返し練習や、一定の浮力を保ちながらゲスト役をサポートする場面です。細かい部分で集中力が求められますが、決して無理な負担ではありません。

海況が悪い日は難易度が上がりますが、基本を丁寧に積み重ねている人はどんな状況でも落ち着いて対応できます。初めての挑戦でも、段階を踏めば誰でも確実に前進できる内容です。

MOANAがサポートできること|安心してステップアップ

MOANAでは、ダイブマスター講習を「安心して」「無理なく」進められるよう、段階ごとにサポート体制を整えています。特に苦手の出やすい部分は、プロを育ててきた経験をもとに個別でフォローします。

スキル・中性浮力のサポート

中性浮力・フィンワーク・姿勢などの基礎スキルは、講習の段階に応じて細かくフィードバックします。感覚がつかめるまで繰り返し練習できる環境があるため、後半で一気に安定する方が多いです。

現場力(判断・段取り)のサポート

ゲスト対応や海況判断など、プロとして必要な現場力は講習の中でひとつずつ解説します。「なぜ今その動きが必要なのか」まで理解できるように伝えるため、実践に強くなります。

講習後も続くフォロー

講習が終わってからも、スキルや仕事の進め方で不安があれば相談できます。資格取得だけでなく、その後の「現場での自信」を育てるサポートも行っています。

ダイブマスターに挑戦したい方は、こちらのページで講習内容・日程・料金をまとめています。

ダイブマスター講習の詳細ページはこちら

まとめ|ダイブマスターは目指す価値あり

ダイブマスター講習は決して簡単ではありませんが、それ以上に大きな達成感と成長を感じられるステップです。苦手があっても、正しい準備とサポートがあれば必ず乗り越えられます。海の知識が深まり、スキルが安定し、自分のダイビングが大きく変わるタイミングでもあります。

プロレベルに挑戦することで、海の見え方やダイビングの向き合い方が一段上のレベルに進みます。将来インストラクターを目指す方にも、趣味を極めたい方にも、大きな価値のあるコースです。

MOANAでは、一人ひとりのペースに合わせて丁寧にサポートしますので、安心してチャレンジしてくださいね。

10|よくある質問

ダイブマスターは誰でも参加できますか?

レスキューダイバー以上、かつ必要本数を満たしていれば参加できます。年齢・体力よりも、基本スキルの安定が重視されます。ナイトダイビングの経験も必要です。

泳ぎが苦手でも大丈夫ですか?

400m水泳・15分の立ち泳ぎなどの体力テストがありますが、練習すればクリア可能です。受講前に基礎的な水慣れをしておくと安心です。

期間はどれくらい必要ですか?

MOANAでは最低7日間ほど必要となります。ご都合に合わせて分割受講も可能です。

学科は難しいですか?

範囲が広いので最初は難しく感じますが、e-learningで繰り返し問題を解けば理解が進みます。苦手な分野だけ集中的に学べるので効率的です。

中性浮力が苦手ですが参加できますか?

参加できます。MOANAでは中性浮力の基礎から復習できるため、講習の中で安定していく方が多いです。

インストラクターを目指していなくても受講できますか?

はい、問題ありません。スキルアップや知識の向上を目的に受講される方も多くいます。

必要な器材はありますか?

基本的にフル器材が必要ですが、レンタル対応も可能です。事前にお問い合わせください。

お問い合わせ

少しでもダイブマスターコースに興味がある方はお気軽にご相談ください。
LINEが最もスムーズです。

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