ダイビングを安全に楽しむために最も重要な基本スキルのひとつが、「潜降」と「浮上」です。特に初心者ダイバーは、この潜降・浮上時に不安を感じやすいため、正しい方法とコツをしっかり押さえておくことが大切です。
今回は、安全かつスムーズな潜降と浮上を行うための具体的なポイントを詳しく解説します。ぜひこれを読んで、次のダイビングで自信を持って潜降・浮上ができるようになりましょう!

松谷 勇馬(まつたに ゆうま)
MOANAダイビングカレッジ石垣島 代表/PADIコースディレクター
石垣島で唯一、PADI最高ランク「コースディレクター」として、初心者から上級者まで幅広く講習を担当。これまでに指導したダイバーは1,000名以上。特に「海が初めて」「泳げない」など不安を抱える方への丁寧なサポートに定評があります。
MOANAでは「安心・安全・楽しい」がすべての基本。
ダイビングが初めてでも、笑顔で海を楽しめるように全力でサポートしています!
ひとこと:
「ダイビングは特別な人の遊びじゃありません😊
あなたの“はじめて”を一緒に楽しみましょう!」
【潜降編】安全でスムーズな潜降のポイント

①バディチェックを忘れずに
正しくはプレダイブセーフティチェックと言います。潜降前に必ずバディと互いに器材やウェイト、エア残圧を確認しましょう。
バディチェックのポイント:
②正しい姿勢で潜降開始
潜降は足からゆっくりと沈んでいく「垂直潜降」が基本です。ある程度潜降できたら水平姿勢になる。
姿勢のポイント:
- 頭を上にして垂直姿勢をとり、ゆっくりとBCDの空気を抜きます。
- 足を下に向け、軽くフィンを動かしながら沈む。

潜降は焦らなくてOK!しかし、バディと離れ離れにならないように注意が必要です。手の届く範囲にいるのがベスト!
③耳抜きをこまめに実施
潜降中、耳の痛みを防ぐために耳抜きを頻繁に行いましょう。苦手な人は、陸上にいる時に練習しましょう。
耳抜きのポイント:
- 潜降後すぐ耳抜きを開始。
- 痛みを感じる前に定期的に耳抜きを行う。
- 耳抜きがうまくできない時は、ほんの少し浮上して再チャレンジ。
④適切なスピードで潜降
潜降スピードはゆっくりが基本です。深くなればなるほど潜降スピードは早くなるので、その際はBCDにエアーを入れてください。
スピード調整のポイント:
- 毎分10m以内の速度を目安に。
- 深度をこまめにチェックしながら潜降。
- 早すぎる潜降は耳抜きが間に合わずトラブルの原因に。
【浮上編】安全でスムーズな浮上のポイント

①浮上前の安全確認
5ポイント浮上で、浮上開始前に周囲の安全等を確認することが重要です。
安全確認のポイント:
- 浮上ルート上に障害物がないかを確認。
- バディとアイコンタクトを取り、浮上開始の意思確認。
②ゆっくりとした浮上スピードを守る
安全停止を考慮したゆっくりとした浮上が基本。スピードは1分間に18m以内と言われてますが、もっと遅くて良いと私は考えてます。
浮上スピードのポイント:
- 浮上速度は毎分9〜10m以内が目安。
- コンピューターや深度計で常に浮上速度を確認。
③必ず安全停止を行う
安全停止は減圧症を予防するために欠かせない手順です。しかし、この安全停止中に意図せず浮上してしまう人が多数おられます。5mの水深では深度変化が大きいため、一度浮力が付くとスーッと上に浮上してしまいます。ポイントはダイビング終了間際はタンクの残量が少ないので、その分軽くなっている(浮きやすい)としっかり認識することです。
安全停止のポイント:
- 水深5m前後で3分間停止。
- 浮力調整をしっかりと行い、安定した状態をキープ。
- 全て排気しているのに浮いてしまう人はウエイトを足してみましょう。

安全停止はダイコンの深度をしっかりと見ながら深度キープ!それか、リーフやロープなどの目標物でもOK!
④浮上時の呼吸管理
浮上時の肺の膨張を防ぐために、息を止めずに常に呼吸を続けることが大切です。
呼吸管理のポイント:
- 浮上中は通常通りゆっくりとした呼吸を維持。
- 絶対に息を止めない。
【トラブル防止のためのポイント】
適切なウェイト量の調整
ウェイト量が適切でないと潜降・浮上が難しくなります。
- インストラクターとウェイトチェックを必ず行い、適正量を設定。
- 環境やスーツに合わせてウェイトを調整。
器材の定期的なメンテナンス
器材トラブルは重大な事故につながる可能性があります。
- 器材は定期的にプロに点検してもらう。
- ダイビング前にも自身で各器材の状態を再確認。
以上、安全でスムーズな潜降・浮上を行うための基本ポイントを詳しくご紹介しました。
潜降・浮上はダイビングの安全性に直結する重要なスキルです。これらのポイントをしっかり押さえて、楽しく安全なダイビングを実現してくださいね!